衛の決意を夢子は悟った
もし自分が男なら
愛する人がこんな仕打ちを
受けたならと・・

衛が旅館を後にした時
夢子は翔にメールした。

まだ電車にいる翔は
メールを見て

「桃ちゃん!小杉って誰?」

「美果の元彼」

「マモが、そいつの所へ

向かったそうだよ」

「翔!とめて」

「小杉!どこに

住んでるか判る?」

「池尻にあるマンションらしいよ」

「桃ちゃん、次の駅で降りて

電車に乗っているマモを探すから

此処で別れよう!」

「私も降りる!」

「仕事どうするの?」

「病気にする!」

「何の病気にするの?」

「恋のやまい・・!」

「ふざけないで、仕事に

行って、桃ちゃん」

「ごめん!翔」

本当は、心配で
どうしようもない気持ちの
桃香だが、翔の前だと
なぜか、ふざけてしまう。

上目づかいで翔の
腕の袖口をひっぱる。

「じゃ!今夜、仕事終わったら

会ってよ。マモの事が気になるから」

翔は、一瞬、夢子のことを?
でも、衛の事心配してる桃香

「いいよ」

「じゃ、電話してね!私の番号判ってる?」

「しらない!」

桃香は軽く翔の左手をつねる
小悪魔スキンシップ!

翔の携帯を奪い
自分の電話番号とメルアドを
登録した。

登録名は<恋人桃香>

桃香を電車に残し
プラットホームで
衛の乗ってくる電車を
翔は待っていた。