「桃ちゃん、俺が前から探すから

桃ちゃん後ろから探して」

二人は電車の最後尾と最前列の
乗車口へと分かれた。

10分後電車がホームに入ってきた
桃香と翔は電車の中を早足で
美果を探す6両目で二人は出会った

「いなかったね!」
結果をメールで衛に報告した。

メールを見た衛は、隣の夢子に
携帯を渡してメールを見せた。

「あと、いくつの電車を探すの」

「2本」衛は答える。

小田原駅に着いた電車の中に
美果はいなかった。

メールをもらった衛は翔に

<ありがとう。後は箱根で

探すから、桃ちゃんを新宿まで

送って、夢子さんは俺が

送って行くから>

衛からメールをみて
二人は上り線ホームから
新宿行きのロマンスカーを
待った。

「ね!急行で行こう」
桃香が翔に言った。

特急なら新宿まで町田に
止まるだけで1時間位で
着くが急行だと2時間

倍の時間が掛かるが
桃香は少しでも長く
翔と一緒に居たかったのだ。

桃香と翔は急行に乗りこみ
桃香はマスクをして顔を
隠し、乗車口の角に立った。

「翔、私の前に立って

私を隠して!」

翔は桃香を隠すように
立った。

電車が揺れるたびに
桃香に触れる。

翔は遠慮して触れないよう
距離を置こうとするが
桃香が翔を自分の方へ
近づける。

「ね!夢子さん綺麗ね」

翔は答えないで黙っていると

「キスしたの?」

黙っている翔!

「やっぱり、キスしたんだ!」

意地悪く小悪魔のように
桃香が翔をいじめる。