三ツ和先輩は夢子の肩越しに

「夢子!あの男の人たち

ズット!私の方を見てるのよ」

と嬉しそうに言った。

<まさか、先輩でなく私を見てるなんて

言えない。どうしよう!>

突然三ツ和先輩がジャージを脱ぎ
翔達にアプローチをし始めた。

引き締また身体とスラリと伸びた足
これで決まりと言わんばかりに!

そして、三ツ和先輩は夢子に
恐ろしい一言を言った。

「私、あの男の子タイプ!

切れ目で、前髪を左に垂らしている

 一番前のちょっとクールな彼!」

夢子はその彼が翔を指している事
を知って・・

<ああ!どうしよう!ばれたら

きっと!いじめられる・・でも

言ってみたい!その彼って

私の恋人と・・・ウッフ!>

二人でストレッチをしていると監督が

「夢子」・・・と叫ぶ。

夢子が!試合への初参戦だ!
リベロの夢子はレシーブ専門の
守備要員である。

交代のメンバーとハイタッチで
コートに夢子が入った時だった!


後から大きな声が・・「夢子!」と

翔のグループが全員で応援の声援を
送ってくれた。

さすがロックンロラーの声、透き通って
会場全体に響き渡る。

その瞬間だった!!

夢子は冷たい視線を感じた。

会場にいる女子高生全員を敵に
まわした様な嫉妬やヤッカミなのか
彼女らの視線が夢子を突き刺す。

ベンチを見ると三ツ和先輩の怖い顔
応援席は驚きのため息・・・

全員を敵に回した夢子!

相手チームのサーバーが夢子に
鋭い視線!

<私を狙っている?私の味方は

翔だけ!でも、なんか!うれしい!

いじめられて!

気持ちいいなんて

私きっと! 

M? エムだ!」