二人は黙って暫くいた。

夢子は周りを見渡し
カップルの抱き合う
姿をみた！

夢子の心は高鳴る。
このドキドキ！翔に
聞こえないか心配だ。

もうこの雰囲気
翔が求めてきたら
どうしよう！

夢子は翔の身体が
動くたびドキドキと
して落ち着かない。

＜はやく翔！＞

覚悟はできている
夢子はファーストキス
の経験を待っている。

しかし、翔は・・・！

桃香の恋の呪いが！翔を
その気にさせない。

夢子は寄り添う肩から
伝わる翔の温もりを感じ
このまま時間が止まれば
良いと思ってた。

時が過ぎていく翔が
立ち上がり

「夢子！もう遅いから
　
　帰ろう」

その時！

夢子は、立ち上がった
翔に思わぬ行動を起こした。

翔の後ろから翔の背中を
抱きしめ！

「翔は、私のこと、

　　　　嫌いなの？」

翔の背中にうずもれた
夢子の顔は涙でぬれている。

その時、翔の頭の中に
閃光がはしった。

桃香の呪いを夢子の愛が
解いたのだ！

振り向いた翔は夢子を
強く抱きしめた。

暫くの間、翔は
夢子の細い肩を
抱きしめていた。

夢子を抱きしめながら
翔は言った。

「夢子が好きだから、

大事にしてるんだ。」

「何もしないのは

その証拠なんだよ」