『諒ちゃ〜ん!』
『麻奈美ちゃん!どうしたの?』
『あんねえ、麻奈美ねえ幼稚園で、大人になったら諒ちゃんと結婚するって発表したら笑われたの…諒ちゃんとは歳が離れてるから結婚できないって。本当に結婚できないの?』
『…そんなことないよ!』
『本当!?』
『本当、俺は嘘つかないよ』
『じゃあ指切りげんまんしよー!』
『いいよ』
指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切った
『絶対に麻奈美を諒ちゃんのお嫁さんにしてね!』
『うん』
嘘なんていう汚い物とはまったく縁がなかった純粋な子供は、いつから汚れをまとうようになるのだろうか。
真っ白だった綺麗なキャンバスはいつからか、多くの色で塗り潰され、地の白が見えなくなっていた。