「違ぇよ。ここは特別」



あたしの心を読み取ったのか、男はサラリと答えた。

何なのコイツ。

変なヤツ。

それより、



「違・・・「そうそう。ここは“僕達専用”なの」



「へ?」



僕って・・・アイツ今まで“俺”じゃなかったっけ?

それに声も違う。

あたしは辺りを見回した。

確かこっちから声がした気がするんだけど・・・。

すると、色取り取りの花園から頭が出てきた。

見つけたと思ったら、ガサガサと近づいてくる。

今度は何?

また変なのが出てきた。



「こんにちわッ・・・じゃないね。初めまして♪」



うわぁ・・・

花の中から出てきて変なの、って思ってたけど、前言撤回。

全然変じゃないです!!

寧ろ可愛い。

目が大きくて、睫毛も長くてボリュームがある。

失礼だけど、身長も小さくて、お人形って感じ。

アイツとはまた別の美形。

上目遣いでの挨拶でも、嫌じゃない。

あたしは一体何処にいるの?

おーい、戻って来ーい。

そこは現実じゃないぞ~。