「ほらよ」と眼鏡を出してきた男。

な・・・何コイツ。

失礼なヤツ!!

人が付けてる物にケチつけてきやがって!!

あたしの勝手でしょ!!



「うるさいな、あたしの勝手でしょ!?返してよ!!」



手荒く奪い返したあたしは、どんなヤツか見てやる為に、急いで眼鏡を装着。

その瞬間、現実に戻るはずがまた夢の世界へ。

この学校、本当に何なの?

だってお城に大きな花園、ショッピングセンターに目の前には“王子”ぃ!?

王子とは人のものにケチをつけたあの男。

美形も美形。

透き通った瞳に、引き締まった唇、そして柔らかい栗色の髪。

整い過ぎてる顔立ち。

これが本当にあの男!?

まさか・・・嘘だ!!

あわわわわ、と口が閉まらないあたし。

そんなあたしに、態度1つも変えず、男は口を開いた。



「返してやってその態度かよ。それより、お前が探してる寮、ここだって分かってる?」



あたしより高い身長で見下ろしてくる。

顔はいいのに、態度がムカつく!!

じゃなくて、探してる寮がここなの!?

えっ、こんなに大きいのが寮!?

寮じゃないよ、絶対違うって。

このお城が寮だったら他はどうなっちゃうのよ!!

もっと豪華!?