温かい陽の光、
サワサワと揺れる青い葉、
そして真新しい白い校舎。
身に纏った制服。
赤いチェックのスカートと、お揃いのリボンが可愛い。
高校１年の春―――
あたしは今日、高校生になった。
でもただの学校ではない。
お金持ちのエリートが通う学校。
お嬢様校。
縦巻きの髪の子達が「おほほほほ～」とか言って笑ってる。
皆お上品だな～。
あたしとは大違い。
え？
あたし？
あたしはお嬢様なんかじゃない。
フツーの一般人。
大きな家もないし、豪華な料理も食べない。
服だってどこにでもいる女子高校生。
だからここにいるのが場違いみたい。
「おほほほほ～」なんて言って笑えないし、食事のマナーも分からない。
それでもあたしはここに入りたかった。
設備だっていいし、制服も可愛いと評判。
学食も豪華だって聞いた。
それにとある条件が揃った子は、なんと学費が“タダ”!!
いいじゃん、いいじゃんッ
別に条件が揃ってなくても学費は周りの私立校と同じ。
勉強のレベルは遥かに高いけど。
