「ねー托人、屋上の鍵っていつも空いてるっけ?」

「や?鍵は生徒会の奴らしか持ってないはずだけど…ってオイちょっと待て」



何かを悟ったらしい托人を無視して、校門が見えてスピードの落ちたバイクから飛び降りる。


ありえねぇ、この女……という顔をしてる托人に私は笑顔で手を降った。



「送り感謝しまーす!あと3分ほどで遅刻となってしまうので、川中はお先に行かせて頂きます☆」

「てんめェェエ三咲!!待ちやがれ!」



後ろで怒鳴ってる托人を放置して、私は教室まで全力疾走した。


結果、チャイムが鳴る数秒前に滑り込みで教室に入ることに成功。可哀想な托人くんは、遅刻扱いとなった。