「………ねぇ」
「あ?」
亜実子宅に向かう途中、ふと思い出したことを托人に尋ねる。
「なんで最初は亜実子が“星の王子様”に行くこと渋ってたくせに急に気が変わったわけ?」
「………」
「テメ、答えろ」
「………お、あれ一番星じゃね?」
「話逸らすな遅刻魔」
思いっきり私から視線をそらして、夕焼けで紅く染まっている空を指差す幼なじみの足を踏みつける。
なんだコイツ。
「ねぇアンタも知ってるでしょ?あそこの治安がどんなんかなんてさぁ」
イラつく。
亜実子のこと心配じゃないのか。
「…だから、おれがいんだろ」
「は?」