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―着信 タクト―



「…はい」

『おまえ今寝てただろ。亜実子迎えにいくぞ』

「チッ…」



いったん家に帰って“星の王子様”が開く時間になってから、托人が私を迎えに来て、それからふたりで亜実子を迎えに行くことになっていた。

テキトーに着替えてソファーで昼寝をしていた私は、電話にでて早々、寝ていたことを見破られて軽くイラっとしながら、財布とケータイを持ってマンションの部屋をでた。



「あー、私今さ、智也んちなんだけども」

『どうせそうだろうと思ってた。下見ろ』



エレベーターを待つ間、確かに下を見下ろすと托人がいた。

4月の終わりから智也んちに生息してるので、もう慣れたのだろう。



「よし、じゃあ行くぞ」



托人の声で、私はしぶしぶ歩きだした。