ヴーッ ヴーッ ヴーッ…



耳元でうるさく響く着信の相手の名前を見て、私は眉間にシワを寄せた。


―ピッ



「うるさい、托人…何時だと思ってんの」
『やっと出たか…もう8時だ』

「………うそつくな」

『嘘なんかつくか!』



信じたくなくて、でも見ないわけにはいかなくて、サイドテーブルに置いてある目覚ましをチラっと見る。



「ギャーっっっ!!!バカバカ托人のバカヤローッ!なんでもっと早く起こさないんだ!」

『ふざけんなよ!30分前から鳴らし続けとるわ!!』

「きょう智也んちなの!迎えに来いっ」

『いる。下』