「行儀の悪い子ねぇ…。お婆ちゃんが先週、ぎっくり腰になったって言ったでしょ?」




「それは知ってる!でも入院する程でもないし、心配いらないんじゃなかったの?」


あたしは突きつけていた箸をテーブルに置き、麦茶を一口飲んだ。



「そうはいってもねぇ、ほらお婆ちゃん今年で70でしょ?家のこととか、畑仕事とかでも、まだ重い物持ったりなんかはしないほうがいいのよ」



現役ナースの言葉は説得力がある



「あ…って言っても、簡単な家事とかは逆にしたほうがいいのよ!クセになっちゃうしね」





「だったら、あたし1人じゃなくて、お母さんと唯とで交代でいけばいいじゃん!」




「あ、唯は無理だからぁ…」


背中越しに唯の声が聞こえた。

「あら、お帰りなさい。遅かったのね」


唯は「ただいまぁ」と小さく答えると、あたしの横の椅子に座り、飲みかけの麦茶を一気に飲み干した。


「もう!あたしの麦茶勝手に飲むな!
…で何?なんで唯は行けないの?」