「うっさいなぁ…別にいいじゃん。涼んでんのよ!」








「涼んでるって…翠んち、あと100mもねーじゃん。おおかた、アイスでも食べにきたんだろー?」



真っ黒に日焼けした顔のせいで、余計に目立っている白い歯をニカッと見せながら広汰は言った。
憎たらしいほど爽やかなのは、広汰が野球一筋のスポーツ少年だからだろう…



「ちっ違うよ!あたしは、このうだるような熱さで日射病になりそうだったから、コンビニに避難しただけです!新作の『フルーツ盛り沢山ソフトクリーム』なんて…そんなわけないじゃん!」



「……お前、分かりやすすぎるぞ」






っっ!! しまった…









「ったく、そんなんだから小松のババァに目ぇつけられんだよ」




「しょうがないじゃん。クーラーの効いた教室は天国なんだから…って、何でクラスの違うあんたがそんなこと知ってんのさ!」


「だって、村井が言ってたぜ。また香月さんが小松先生に怒られてたーってな」










そういえば、村井君って広汰と同じ野球部だったっけ。

あんにゃろう…
綾香の太もも見るだけに飽きたらず、あたしの醜態までキチンと広汰に報告してくれちゃって!!



…でも文句言いたくてもあたし村井君とは話したことすらない。

はぁ…。男女問わず友達が少ないのはマジで考えもんかも…。