思いだしたのは練習が終わった後の記憶。
コートを出てロビーへの階段をあがって、そこの自販機でカキとポカリを買って備え付けてあるソファーで一緒に飲んでしゃべってたっけ。
コーチとか、シニアコースの人達とか、たくさんの人達と会話をしたことをよく覚えてる。
ちょうど夕方、日の落ちる時間でロビーのベランダから見える夕日が綺麗だった。
あたしにとってやすらぎの場所だった。
「今日は夕日が見えないね」
「ん?あーそうだな」
カキの言葉の前につく『ん?あー・・・』って言う声が好き。
「なんだか、懐かしいな。夕日と夕月がいっぺんにみえて、それを肴にポカリのんでたっけ」
「肴って・・・おじさんっぽい!!」
「うっせー!」
カキも覚えててくれたことが嬉しかった。
「・・・もう、大丈夫なのかよ」
急に声のトーンを変えられたのでびっくりしてしまった。
その言葉にさっきまで和らいでいた恐怖が戻ってくる。
でも、あまり弱いところは見せたくないくて不自然にはぐらかしてしまった。
「だ、大丈夫だよ!」
そんな顔しないで・・・
っと声に出す前にカキが続ける。
「お前、気をつけろよな。あの場所ではどうしようもなかったけど、その前にふせぐ方法はいくらでもあるぜ。厳しいこと言ってるかもしれないけど、お前ももう高校生なんだから自分の身くらい自分で守れ」
まっすぐにあたしの目を見て諭すように話すカキは、すごく真剣だった。
厳しくて、優しかった。
カキは優しい、悲しいほど優しい。
「・・・うん。そーだね。ありがとう」
短い単語をひとつひとつ、声に出して伝える。
わしわし、と頭をなでてくれる手がより一層私に優しさを刻んだ。
コートを出てロビーへの階段をあがって、そこの自販機でカキとポカリを買って備え付けてあるソファーで一緒に飲んでしゃべってたっけ。
コーチとか、シニアコースの人達とか、たくさんの人達と会話をしたことをよく覚えてる。
ちょうど夕方、日の落ちる時間でロビーのベランダから見える夕日が綺麗だった。
あたしにとってやすらぎの場所だった。
「今日は夕日が見えないね」
「ん?あーそうだな」
カキの言葉の前につく『ん?あー・・・』って言う声が好き。
「なんだか、懐かしいな。夕日と夕月がいっぺんにみえて、それを肴にポカリのんでたっけ」
「肴って・・・おじさんっぽい!!」
「うっせー!」
カキも覚えててくれたことが嬉しかった。
「・・・もう、大丈夫なのかよ」
急に声のトーンを変えられたのでびっくりしてしまった。
その言葉にさっきまで和らいでいた恐怖が戻ってくる。
でも、あまり弱いところは見せたくないくて不自然にはぐらかしてしまった。
「だ、大丈夫だよ!」
そんな顔しないで・・・
っと声に出す前にカキが続ける。
「お前、気をつけろよな。あの場所ではどうしようもなかったけど、その前にふせぐ方法はいくらでもあるぜ。厳しいこと言ってるかもしれないけど、お前ももう高校生なんだから自分の身くらい自分で守れ」
まっすぐにあたしの目を見て諭すように話すカキは、すごく真剣だった。
厳しくて、優しかった。
カキは優しい、悲しいほど優しい。
「・・・うん。そーだね。ありがとう」
短い単語をひとつひとつ、声に出して伝える。
わしわし、と頭をなでてくれる手がより一層私に優しさを刻んだ。