二人が取った電話は、両方ともクレームの電話でした。 先ほど買った黒豚の中にたくさんの砂が混じっていたり、いためてもにこんでも妙な匂いが取れなかったり、最高級の黒豚が聞いてあきれる、といった内容がほとんどでした。

 二人は必死に平謝りを繰り返しましたが、電話を切っても切っても同じような電話が相次いで、受話器の前からはなれることが出来ませんでした。 数分前まで浮かべていた薄ら笑いは、すっかりイライラを訴えるムカムカ顔へ変わってしまっていました。