少し眠っていたら
真理子の母親が入ってきた。


「錬くん、ご飯食べましょう?」



「あ、すみません
こんな格好で・・・・・」




「酔ってるのね。
無茶しないでね・・・・・・。
もうそんなに苦しまないで欲しい・・・
真理子もきっと心配してるわ。
紅ちゃんも驚いてたから」



「すみません・・・」



俺はそういうしかない。

月城先生は真理子の主治医だった。
去年の命日にはここで
少し話をした。

「娘が、錬くんの学校を志望校にしてる」
そう月城先生は言っていた。


紅が先生の娘なのは知っていたが
まさかここに来るとは
思ってもいなかった。



「真理子はここまで想われて
本当に幸せな子だわ。
本人もそう思っているから
そろそろ錬くんは
立ち直ってほしい。
私も主人も真理子もきっと
同じ想いよ・・・・」



そう言うと俺の背中をポンポンと
叩いて
部屋を出て行った。