『俺さぁ、ずっとめがねした生活だからめがねないと生きてくのも危ういんだよねぇ~』

『え?!死!?そんなに目、悪いの??』

『うん』

えっと・・・

『これ何本ですか?』

あたしは指を一本立てた。

『ん~?10本』

『どんだけ目悪いんですか・・・』

『まぁ-こんだけ目悪いから今日から登下校とかよろしくね♪?』

『何であたしが?!』

『え?めがね壊したから直るまで俺の世話係』

『うっ・・・!』

『このままじゃ俺帰る途中で死んじゃうもん、だから一緒に帰ろうね♪』

帰ろうね♪って・・・

『う~、分かった・・・けどあたし、あなたのこと知らないよ?』

『知らない訳ないでしょ??』

彼はめがねをかけた。

『2-A市宮心一-いちみやしんいち-です』

・・・嘘ぉ!!??あの地味系で目立たない系の!!??

こんなかっこよかったんだ・・・。

『てか俺腹減った、だからこれ食わせて♪』

『え?食べるくらいは』

『何も見えない、だから俺の好きなこの黄色い玉子焼きも何かわかんない』

『玉子焼きってしっかり言った気が・・』

あたしの言葉を遮るように心一くんが顔をちかづけた。

『つべこべ言わず食わせて』

『はい。・・・どうぞ』

パクッ。

はぅ~かわいい。

『次これ食わせて』

『うぅっ!はい』