「引きこもり?」

僕は休み時間に恵ちゃんと話をしていました。

話題はまだ一度しか会っていない野村くんについて。

「うん。なんでも小5になったくらいから学校には行ってないらしいよ。

ウチのおばあちゃん達が話してるの聞いたことある」

「もしかして病気とか?」

学校に行けないつらさは天使になってから痛いほど感じました。

だからこそ、もしそうであったなら僕は何とかしてあげたいと思うのです。

僕一人の力なんて大したことはできないけれど。

「ううん、病気とかではないみたいだよ。

休みの日とか、朝早くに散歩してるのを見たっていう子もいるし」

病気じゃないのならあとは……

「いじめとか?」

恵ちゃんは首を横に振ります。

「みっちゃんていう友達が同じ小学校だったけど、そんないじめなんて無かったって」