夕飯が終わって部屋でぼーっとしていると眠たくなってきました。
温かな木の匂い。
優しいお母さん、素直なタクちゃん。
まだ一回しか会ったことのないパパ。
「あ、そうだ……」
僕は寝転がりながら天井から吊された電灯に手をかざしました。
姿よ消えろ。
念じてみても消えません。
「やっぱり。それに空も飛べなくなっちゃったしどうなってるんだろう。」
手を電灯にかざすと輪郭がぼんやりとして不思議な気持ちになりました。
「ジューン。何してんの?」
ぬっ。と現れたタクちゃん。
僕は笑顔で言います。
「んーん。何でもないよ。」
「そ?それよりさ、一緒に風呂入ろうぜ。」
にこっと笑ったタクちゃん。
僕はこの温かな家が大好きです。