すると異変に気付きます。
「あ、あれ?あれれ?」
いつもなら念じるだけで姿を消したり現わしたりできるのに、姿が消えないのです。
「な、なんで?どうして?」
僕は透けない手をぱたぱたと振ってみたりしましたが一向に消える気配はありません。
「そんな、じゃあ一体どうしたら?」
「何だ、どうしたジュン?」
「うわぁあっ!?」
急に教室の入り口から声が聞こえて、僕は思わず声をあげて驚きました。
振り返ってみると、そこには小柄な男の子が立っていました。
見覚えはありませんが、僕の頭に何かが流れ込んできます。
「あ、タクちゃん。」
彼は小林 匠(たくみ)。
隣のクラスだけど、とても仲良しです。
あれ?なんで仲良しなんだっけ……