『恋っていっても、その人によって線引きが曖昧じゃない?だから、神様が勝手に線引きしたの。』
僕の驚きとか戸惑いは完全に無視な神様。
ちょっとこの人の性格が分かってきました。
『好意を持った人間を、神様からの依頼なく、悪意の芽も無いままに、その人間に利益ある行動をした時。天使達から力を奪うことにしたのよ。』
「はぁ。でも何でそんな?」
『"愛"って言うのは素晴らしい感情。でもね、"愛"は時に強い"嫉妬"を生み出す。それは悪意の芽をグングンと伸ばしてしまう。』
凄く真剣な表情。
正直、"愛"なんてまだよく分からないけれど、僕はそのタブーは犯さないと決めました。
『ま、だから好きになるのは自由だし、のらりくらりとやっちゃって〜。』
ポフン。と消えた神様の跡を僕はしばらく眺めていたのです。