由美さんの家には部屋が3つありました。

リビングに入り僕は椅子に腰掛けます。

「はい、どうぞ。オレンジジュースしかないけれど。」

「ありがとうございます。」

可愛いグラスに注がれたオレンジジュースを僕は一口飲みました。

「あの……」

「なにかしら?」

僕はあることに気付きました。

「鳥さんはいないんですか?」

そう、写真に写っていたインコが居なかったのです。

由美さんは哀しげに笑いました。

「先月死んでしまったのよ。3年間も私と一緒に居てくれた。」

由美さんはリビングの奥の部屋へと向かっていきました。

戸を開くとそこには、小さなベッドで眠る赤ちゃんがいました。

その横の棚には、宿主の居なくなった古びた鳥かごが。

「とても綺麗な声で鳴く子だったのよ。」

由美さんの声は悲しい歌の様に小さな部屋に落ちます。

「ほぎゃあ、あぁ。」