僕はそれを拾いました。
「……これは、赤ちゃんとインコ?」
そこに写っていたのは生まれたばかりの赤ちゃんと、インコでした。
インコはすごく飼い主に慣れているのでしょう、カメラを持っている人の人差し指に止まっていました。
この指は由美さんなのでしょうか。
「あら、有坂さんのね。ごめんね、ぼうや。私は追い付くことができないから、追いかけてあげてくれるかしら?」
おばあさんに言われ、僕は店の外を見ました。
ちょうど由美さんがお肉屋さんの角を曲がって見えなくなります。
「うん、届けてくるね。」
僕はそう言って薬局を出ました。
走ってお肉屋さんの角を曲がると、少し先に由美さんの姿があり、僕は安心しました。
僕は誰にも気付かれない様に姿を消して、由美さんの後を追うことにしました。