『もしもし、いつもありがとうございます。こちら天界事務室、悪意の芽刈り取り課でございます。』

すると、羽の向こうから声が聞こえてきたのです。

「これは天使の携帯。あんたも神様から最初にもらったでしょ?」

「……えっ。」

僕は初めて神様に会った時のことを思い出してみました。

そういえば神様、天使の力とタブーについてすら言い忘れてたなぁ。

「…………。」

携帯のけの字も出てきなかったなぁ。

「…………………。」

「……ちょ。」

きっと、このことも神様忘れてたんだろうなぁ。

僕はもう何でも良くなって、思わず笑顔になっていました。

「はぁ、忘れられてたのね。あんのハゲ神。まぁ、いいわ。」

鏡華さんは羽を僕から取り返すと話し始めました。

『花井鏡華さま。いつもご苦労さまです。本日はどのようなご用件でしょうか?』