「…………。」

僕は信じられない光景を目にしています。

なんと鏡華さんが白い羽に向かって話し始めたのです。

「もしもし?もしもし!?」

「鏡華さん……あ、あの……」

僕はもういたたまれない気持ちでいっぱいです。

悲しさすらおぼえそうで、鏡華さんを止めずにはいられません。

「鏡華さん、羽に話し掛けてどうしたんですか!?」

「へっ?…………。」

鏡華さんの目が点になりました。

「……………。」

やはり言わないでそっとしといてあげた方が良かったのでしょうか?

いや、でも僕は言ったことに後悔はしていません。

「……あんた何言ってんの?ただの羽に話し掛けるわけないでしょ。」

「えっ、だって今。」

「ん。」

鏡華さんは、ん。と言って僕にその羽を渡しました。

そして耳を指差して、羽を耳に当ててみろと合図をします。

僕は言われた通りに羽を耳に当ててみました。