『悪意の芽が芽生える理由は千差万別。人によって違うから特定できないのよね。本当に人間て面倒。』
神様はぷんすかしていますが、多分その面倒な人間をつくったのアナタです。
「あ、そういえば!」
『んー、なになに?』
そう、僕は神様に肝心なことを聞き忘れていたのでした。
「悪意の芽ってどうやって刈り取るんですか?」
どうやら僕は、漫画とかで見た死神みたいに鎌を持っていないみたいだし。
手でむしれるのか?それ以前に触れられるのかどうかだって分かりません。
『あー、それねぇ。うっかり言い忘れてたよー。』
もう、神様ったらうっかりさんなんですから。
『ターゲットが悪意を形にしようとした時に、姿を現して阻止すれば良いの。ま、百聞は一見にしかずって言うし、やってみてね。』
ぽふん。
気の抜ける効果音を僕にだけ響かせて神様は消えてしまいました。
こうして、僕の天使としての日々が始まったのでした。