「おはよー恵ちゃん」
「あ、おはよ新田くん」
朝の散歩で一真くんと少し話をしてから学校に来るのが僕の日課になりました。
一緒に登校できなくてタクちゃんはムスッとしていたけど、いつか3人で登校できるようになればと思います。
「……あ、機嫌悪いな?」
「……え?」
恵ちゃんが急にそう言うので僕は恵ちゃんを見ました。
「ほら見て。礼雄……じゃなかった中山くん。
ちょっと左に首を傾けてるでしょ?あれってね機嫌悪い時の昔からの癖なの」
正直僕にはいつも通りにしか見えないのですが、恵ちゃんが言うからにはきっとそうなのでしょう。
「恵ちゃんと礼雄くんはいつからの知り合いなの?」
恵ちゃんは礼雄くんを見ながら答えます。
「保育所の時からクラスも全部一緒。バカみたいにいつも一緒に居て……私と礼雄とのんちゃんと……」
恵ちゃんは最後に悲しげに笑いました。
「のんちゃんて?」
恵ちゃんはしばらく黙って考えて、ふぅと息を一つしてから口を開いてくれました。