その日僕は泣き疲れて眠ってしまったようでした。
そして朝になり知るのです。
「父さん、母さん……」
僕を挟む様にして眠っていた父さん、母さん。
2人は僕の身体が帰ってきてからずっと、そうしていたのでしょう。
「……カチッ、ピピピ………」
目覚まし時計が朝を告げ、母さんが父さんよりも早くに起きました。
「おはよう純助。」
母さんはそう言って、返事もしない僕のおでこにキスをしてくれました。
母さんはじっと僕を見つめて、そして悲しそうに笑ってリビングへと降りていきました。
部屋に父さんの豪快ないびきだけが響きます。
煩いと思っていたそれも、今は凄く愛しくて。
僕は本当の自分の耳で聞きたい、そう思ったのです。