町の中でも古い家屋が並ぶ小路を抜けると大きな公園に出ます。

地名をそのままとった「大河原公園」はこの町の憩いの場になっています。

鮮やかな緑をつけた木々が風になびき、カサカサと心地よい音をたてています。

中央にある池は出たばかりの朝日でキラキラと輝いていて、暖かい気持ちになります。

「夕方に見るのと朝に見るのと景色って全然違って見えるんだ……」

夕方が青の色眼鏡なら、朝は万華鏡で世界を見ている気持ちです。

僕は白いジャージを着たおじさんがジョギングをしていくのを見送り、散歩を始めます。