次の日の朝。
僕はタクちゃんのお母さんが朝食の準備に取り掛かるよりも早くに起きました。
「ふぁ」
まだタクちゃんは隣ですやすやと眠っています。
遠くの方から微かに鳥が鳴いているのが聞こえる晴れた空。
僕はしょぼしょぼとする目を擦りながらパジャマから着替えました。
「いってきまーす」
眠っているタクちゃんとお母さんを起こさないように、そう言って玄関を開けました。
涼しい風が眠気を爽やかにさらっていくのです。
「うん。絶好のお散歩日和だね。一真くんもきっとそう思ってるだろうな」
朝の散歩は清々しいです。
犬も猫もおじいちゃんも、おばさんも、もしかしたら太陽だって。
まだほんのちょっと眠くて、風が心地よくて、キラキラした感じ。
分かるかな?