その放課後に僕はまた恵ちゃんに話を聞きました。

一真くんが何処の道を散歩しているのか、何時ごろなのかをです。

恵ちゃんは知っていることを話してくれました。

曜日は決まっていないけど、登校する学生がいない時間で、土日にはしない。

昔はお母さんと一緒だったらしいけれど、最近では1人でしているとのことです。

僕は恵ちゃんと別れてから、教室でタクちゃんを待って帰りました。

「ねぇ、タクちゃんがもし学校に行きたくなくなったとして……いじめでも病気でもないとしたら、どんな理由?」

僕のいきなりの質問にタクちゃんは目を見開きます。

「何だか分かんないけど勉強が嫌いとか苦手とかそういうことじゃね?」

「うーん。でもタクちゃんは勉強が嫌いでも苦手でも学校に行きたくないなんて思ってないでしょ?」

「ん?ジュン何げにひどいこと言ってるよな?だって勉強は嫌いだけど友達もいるから学校は楽しいもん。家になんてずっと居たらつまんないぜぇ?」

給食袋をぶんぶんと振り回すタクちゃん。

僕は勉強も嫌いじゃないけど、タクちゃんの意見には同感です。

学校って楽しいところなのに、来れないなんて寂しいです。