恵ちゃんはそう言うけれど、僕は少しだけ違うと思いました。

確かに恵ちゃんの過ちは消えたりしないけれど、つぐなうことで薄れていくものだと思うんです。

大事なのはどれだけ薄れても、過ちを消して忘れないこと。繰り返さないことだと僕は思います。

「まぁ、野村くんについて私が知ってるのはそれくらいかな。

あんまり知らなくてゴメンね」

「ううん。ありがとう恵ちゃん」

恵ちゃんは笑顔で頷きました。