ね、王子・・・


助けてよ・・・


あたし1人じゃ・・・どーにも・・・


「はるる」


そう言ってあたしの手をあいちゃんは握った。


「あんなのほっときな、ブスの子猫がニャンニャン鳴いてるって思ってたらいいんだよ」


『あいちゃん・・・』


「あんたが姫だったら、あたしは妃ねっ」


そう言ってあたしの手を引っ張って立たせる。


「教室行こう」


『ありがと』


「ったく、あんたの王子は・・・」


あたしは、ニコっと笑った。






「・・・宮川!!」


そう言って誰も使っていない教室のドアを開いた。


――ガチャ・・・


「・・・ええ;」


「ちゃんと“お邪魔します”って言うた?王子」


そこには、壁が一式はるるの写真で埋め尽くされた部屋。


小さいころから今まで・・・


「号外で生徒のはるるへの反応がむごい、なんてことを・・・宮川!」


「どーやる?王子やったら、」


「テメ、はるるへ謝れよ!なに考えてんだよ!」


そう言って胸倉を掴む王子。


「俺にも謝って欲しいわなー。ほんなら・・・」