最終、あの子の名前さえ呼べなかった。
小学校6年生の夏。
「転校生を紹介します」
そう新しい6年の担任の先生が言った。
『なんで今の時期に転校なんかしてくんの?』
そう隣の席の子と話をするあたし。
もう卒業する学年なのに。
最後まで地元の小学校で卒業したら良かったのに。
なんか変な子だな・・・って思った。
きっとその時みんな思ってただろう。
――ガラガラ・・・
転校生が教室に入って来た。
「ぅゎ・・・」
みんな同じような反応をする。
「はるる・・・転校生、カッコイイじゃん」
『え・・・えー;』
あたしもその反応の1人だったけど
あえて強がったのだった。
「間宮 陸≪マミヤ リク≫です」
少し低い声で言った。
少し茶色い髪にビー玉のような瞳。
もしかしてハーフ?
顔がとてつもなく整っている。
周りのガキみたいな小学生と違って・・・
すこし大人な雰囲気を出している。
「じゃあ・・・間宮くんは、結城さんの隣の席に座って?」
「はい」
・・・あたしの席の隣!?
・・・めっちゃ緊張なんですけど;
「よろしくね、結城さん」
あたしは、頷いた。