話せないっていうか…
自分でもよく分かっていないって言った方が正しい。
だから何も言えない。

「はる?」

「あ~っ!!陽くん!!やっと来た!!」

有沢未来が陽の腕にまとわりつく。

「こっちこっち!!」

「あの、離してもらえます?」

「え?」

「席はあそこですね。
自分で行けますから…
はる、行こう。」

「うん。」


有沢未来はあたしをキッと睨んで自分の席についた。

あたしは陽の隣に座る。


「それじゃ、説明を始めます…」