「それに気付いてないだけなんじゃない…?」

「どういう…意味?」

「離れてみて分かったでしょ?
自分の中の陽くんの存在。

思ってたよりもずっと大きいんじゃない?
だから…
はるは毎日ため息ばっかり…違う…?」



言われてみればそうかもしれない…
あたしの心にできた穴はなんだか思ってたよりもずっと大きくて、あたしは…


「隣に陽くんがいてくれないと…寂しいでしょ?」


そう言われた瞬間、あたしの目から涙が零れ落ちた。


「はるっ!?
ちょっと…大丈夫!?」

梨絵が慌ててちっちゃいタオルをくれる。


「ご…ごめ…
自分でも…
よく分かんない…。」


言葉にしたい気持ちはあったのに…

涙がそれを遮る。

一度零れてしまったら止まらないのが涙で…

あたしの涙は当然、なかなか止まらなかった。