「ううん。
今日が初めてだよ。

なんだか一人になりたくて。」


すっと自分の本音を言えてしまったことに、自分が一番驚いた。


「ははっ。
一人になりたかったんだ?」

「少し…息苦しくて。」



はるは不思議な女の子だ。
俺が心にため込んでいたことを、何の苦もなく言わせてしまう。

心に重くのしかかっていたものを言葉にしてしまうと、自分が思っているよりもずっと、気が楽になった。


「あれは確かに…
どう?
少しはすっきりした?」

「うん。
おかげさまでね。」

「あたしのおかげ?」

「うん。
はるのおかげ。
それと…。」

「それと?」

「空…かな。
今日、青空だから。」

「空…好きなの?」

「うん。
今日みたいな綺麗な青空が好きだよ。」