「五十嵐陽の人気はすごいねー…
どんな女子の口からも一日一回五十嵐陽だからね!!笑っちゃう♪」


戸田晴香が俺の隣に寝そべった。

その瞳は空を見つめている。

俺もつられて仰向けに寝そべる。



「そんな戸田さんだって人気者でしょ?」


そう。
この子だって人気者だ。
この学園でこの子の名前を知らない子はいないってくらいに。
いつだって友達が周りにいるし、いろんな先輩も彼女に会いにちょくちょく教室にやってきているのを見たことがある。


「あ、あたし?
あー…全然だよ。
あたしの人気なんて五十嵐陽に全然及ばないって。

ってかさー…
あたしのことは『はる』って呼んでよ。

戸田って呼ばれるとてらりん思い出すし。」

「はる?」

「うん。
あたしのことはみーんなそうやって呼ぶし。ね?」


はるは明るく笑いながらそう言った。