*梨絵side*


「はる、トイレ行かない?」

丁度パーキングに着いたから、トイレに行こうと思ってはるを呼んだ。

だけど返事はない。

「はる?」


やっぱり…
寝ちゃってる。

なんか外見てぼーっとしてて静かだなぁと思ってたら…


「あれ…?はる寝たん?」

「うん。そうみたい。」

安藤くんにそう尋ねられ、あたしは答えた。


「珍しいな。こういう行事ごとってはる、一番はしゃぐじゃん?」

「うん。そうだよね…」


それはあたしも思ってた。
バスに乗り込んできたときは元気だったのに、どうしたんだろ…?

そう思っていると、前に乗っている陽くんがすっと立ち上がった。