あれ・・・?
急にあたしの中に現われた
リュウイチ先生のイメージに
あたしはとまどいを覚える。
なんであたし先生のこと考えてるんだろ・・・。
でもそんなあたしの気持ちとは反対に
先生のイメージはどんどん大きくなる。
先生の黒くて艶やかな髪
先生の長い手ときれいな指先
先生のそばによると微かに漂ういい香り
知ってる限り全ての
先生の記憶が
とてもリアルに
あたしの心を
支配していく。
その反対に
鏡の前に座ってる自分と
鏡の中の自分が
どんどん現実感を失っていく。
その不思議な感覚に
とまどいが止まらないけど
イヤな気持ちにはなっていなかった。