※マネ申(杏樹)side※

あたしは杏樹、あたしは今まで御羽田 秦くんが
好きだった。

『だった』というか現在進行形だから『好き』
なの。

だって硬派でイケメンで優しくてサッカーも
上手くて、頭を良くて非の打ち所もないようなヒト
好きになるな!って方が無理でしょ?

どうにかしてお近づきになりたくて
いろいろ考えていたら丁度サッカー部の個人に
専属マネージャーにつけるというポスターを
見て、あたしは絶対なりたいと思った。

---・・・

「すまん、もう俺のマネージャーは決まっているんだ。
君の気持ちは嬉しいんだが・・・。」

断られてしまった。

・・・そうだよね、御羽田くんにはそりゃもう
可愛くて、綺麗で、優しくて、頭もよくて、
御羽田くんに釣り合う女の人がいるに決まってるよね。

きっと城宮 麗那ちゃんとか、平宮 悠ちゃんや
甘乃 雪南ちゃんとか。

でも、あたしはどんな人か気になって

「誰?教えてくれたら諦めてあげる。」

なんて聞いた。

御羽田くんは・・・少し顔を赤らめ・・・戸惑い
小さな声で言った。その仕草だけできっと
その彼女がすごく好きなんだろうなと確信した

「ひ・・・なの・・・とぉ・・るだ(>□<//)」

ひなのとおる??
聞いたこともない仔だな。

「どんな仔??」

「え?・・・っとだな、可愛くて強くて
小動物みたいなんだが・・・あ・・アルマジロみたいな
奴だ(///)!!」

あるまじろ??!

「あ!すまん!!前言撤回!!うさぎ・・・とか?」

いや、こっちに聞かれても・・・。汗

でもほんとに好きなんだなぁってしみじみ思った。

「誰かわかんないよ!その仔連れてきて!!」

どうせ、御羽田くんの頭の中はそのひなのとおるって
仔のコトでいっぱいなんだろうな・・・あたしの頭と一緒で。

「・・・・、連れてきたら諦めてくれるんだよな?」

「・・・うん。」

口上ではね。そんな簡単に諦められたら好きだなんて
言わないよ。

そういって御羽田くんは『ひなのとおる』を探しに行った。