「瑶亜がみんなに言ってたぞ?」

「…もう、みんな知ってるの?」

「ん~…。多分な。」

「稜も?」

「多分知ってるよ。」

…そっか。もうみんな知ってるんだ。
稜にまで、広まっちゃったのか…。

「…ありがと。」

「どーいたしまして。って、お前結局どうなんだよ!」

「自分で考えろ!」    タッタッタッタッ

「…自分で考えろって言われても、
 オレお前じゃねぇからわかんねぇし。」

「瑶亜!」

「…なに?」

「ちょっと来て。」


✫屋上にて✫

「…なんなの?」

「うちが稜のこと好きだって、なんでバラしたわけ?」

「そんなの決まってんじゃん。」

「決まってる…って?」

「稜が綾姫のこと嫌いになるようにだよ。」

「っ!…あっそ。もぅいいよ。」

「じゃ、あたし行くから。」   タッタッタッタッ  バタンッ


…強がったけど、けっこうこたえたなぁ。
稜に、嫌われたらどうしよう…。
稜に避けられたらどうしよう…。
…こんなことしててもしょうがないっ!
教室に、帰ろう…。


ガラガラッ

…みんなもう知ってるんだ。
いっせいにこっち見れば、だれだってわかるっつぅの。

「…どうしたの?みんな。なんか変だよ?」

…稜は、もういるのかな。

「おぅ。綾姫おはよう!今日は遅かったな!!寝坊か?」

稜…だ。もう知ってるはずなのに、話しかけてくれた…。

「は?なに言ってんの?!稜じゃないんだからそんなわけないでしょ((笑」

「お前、なんだよその言い方は!このノッポ!!」

「あんたこそなんなの?!チービッ!」