私は、この夏恋をした・・・

私、唐草美亜姫は高校1年生。これまで結構モテたし、振られた事もない。
でも、私は計算高いから、私の事好きだと確信した男子にしか告ってない。
別に、それでこれまで困った事ないし、私の事好きなんだからいいと思ってた。
でも、この考えは高1の夏に、すっかり変わってしまった・・・。

「はーい!これで1学期は終わりだぁー。くれぐれもだらけるなよ。」といつものウザイ先生の話が終わった。
これから夏休み★いっぱい予定立てて、遊びまくるぞぉ~!
そんな事考えてたら、「ねー美亜、ねー」と後ろから声がかかった。その声の主は、私のたった1人の心から信頼できる友達の浦河葵だった。
葵は
「また、彼氏と別れたんだって。」と言ってきた。
なので私は、
「だってウザかったんだもん。しつこいし、別に好きで付き合ったわけじゃ無いし」
「じゃーなんで付き合ったのぉ~?」と葵。
またこれだ。もうさすがに聞きあきた。
別に遊ぶつもりで付き合った訳じゃないし、向こうから告って来たし、別にその時、彼氏が居なかったから・・・。なんて事を思いながら私は「ヒミツ☆」と葵に笑ってごまかした。葵は少しふくれっ面。でも、知らない★
「ねーそれより、夏休みの予定とか立てようよ。」私の提案。葵は、満面の笑みになって、子犬のように近寄って来た。
葵は
「暑いから、ファミレスに行くぅ~」との事。それには私も乗る。今日はめっちゃ暑かったから・・・。

私たち2人は、校門に向かって歩いた。私はこの時、なぜかグランドを見たんだ・・・。
このクソ暑い中、部活に励む人がいっぱいだった。
その中に一際煌めく人が居た。その人は、サッカー部で、その人目当てなのか周りに女子が群がっていた。
私の鼓動は、電池を入れたおもちゃみたいに、一気に動き出した。
この感覚は久しぶり。もう何年も無かった事・・・。
それからの時間は、あっという間だった。葵の話もろくに聞けなくて、「電話する」と言って早々と帰って来た。

彼の事が頭から離れない。ボールを追う姿。カッコイイ顔。
周りが色を無くしたように彼だけが輝いて見えた・・・。