「え?転校生?」
「おー。今日来るんだって」
「へえー」
「・・・・恭助、聞いてんのか?」
「んー」
「人の話くらいちゃんと聞けや!」
「・・・別に転校生なんてどうでもいいやん。今時珍しくもなんともないし」
「せやけど、もうちょっとはしゃごうや!な?!」


四之宮学園 3-3


新たなクラスで騒がしい教室内
俺は教卓に置かれた名簿順の席に座って同じテニス部の上谷雄飛の話を聞いていた。
転校生が来るというわけで騒げる、中学生らしいこいつがうらやましい。


「てか、その転校生ってうちのクラスやろ?」
「え?!マジか!」
「(見てなかったんかい・・・・) 前に貼ってある名簿。見てみい。知らん名前があった」


俺の言葉を聞き終える前に黒板へと向かう雄飛。
そして彼女の名前を見つけてつぶやく。


「・・・香芝、・・・風花・・・?」


雄飛の目はどこかキラキラしてるような気がして。
なんで名前だけでそんな目しとんのや、とか言いながらも


心のどこかで、何の確信もなく、
今年は楽しくなりそうやな、なんて思ってる自分がいた