その短い言葉を
男は聞き逃さなかった。


少しほっとした表情を一瞬した後
真奈に目を向ける。



「あなたにもまだ人間らしい心が
残っていたらしい。


わが子に拳銃を向けられ
思わず声をあげてしまったようだな。



そこか!」



男はクローゼットに駆け寄り
ドアを強引に開ける。


ガラクタを全部放り出し
中を確かめる。