男は拳銃を次々といろんな所に
向けていく。


押し入れ
戸棚
たんす
下駄箱…


そんな様子を
凍りついた表情で見つめる真奈。


男も真奈をじっと見つめている。



そして男はクローゼットに拳銃を向ける。


まだこの家が幸せに包まれていたときは
きれいに飾られていたのだろう。


造花の残骸が残った薄汚れた扉に
拳銃を向ける男。


その時真奈が表情を変え
一瞬叫んだ。



「あ…」





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