自宅から図書館まで徒歩で10分くらいの距離を、わざとゆっくり歩いた。 うつむきながら進んでいると、背後から 〈プップー!!〉とクラクションの音がする。 ふり返ると、不気味なくらいに光沢のあるまっ黒いRV車がを私の後ろからついてきていた。 おもいがけもしない光景に恐怖で足がすくんでしまい、歩みを止めてしまった… まっ黒いRV車は私を通り過ぎ、左の路肩に寄せて止まっている。 助手席側のドアがそっと開いたかと思ったら、ひょいっと男がおりてきた。