クソッ!!
向かいの信号に苛立ちを感じる……
年甲斐もなく、信号機をにらんでみたりして。
…………!!!!!
…ウソ、だろ。
こんなときに。
こんなタイミングで。
これって、奇跡?運命?
んな、ダセー言葉しか浮かばねーよ。
向かいの歩道につったってボーっと俺を見ている、今いちばん会いたい人。
行き交う車の騒音も、大勢の雑踏も、今の俺には無色透明で、何の意味ももたない。
ただただ、あいつに会えたことが嬉しい。
顔を見れたことが嬉しい。
俺、このまま進んでいいんだよな。
信号は‘青’
人の波が動きはじめた。
大きな人の波は、まるで俺の背中を押してくれているようだった。
―あの日end―