「この契約は中谷さんが提案したんだよ?
中谷さんが俺を助ける代わりに、俺も中谷さんを助ける。
うち、大学病院だからさ、研修医とか次から次に転科してくるからね。
中谷さんも言い寄られて困ってたみたい。
噂なんてすぐ広まるからさ、利用した。
俺たちが付き合ってるって……
すぐに落ち着いたよ」
斜め下からひょこっと顔をだしてジーっと俺を見ているあいつ。
なんだよ……
『じゃぁ、横断歩道ですれ違ったとき、中谷さんといたのは?
付き合ってるアリバイ作りですか?』
……ブブッ!!ハッハッハッ!!!!
「そんなメンドくせーことするわけねーだろ!?」
プクッと顔をふくらませるあいつ。
『そんなに笑わなくたって…』
「わりぃ、わりぃ。
おまえの想像力はすげーよ。
でも、ちょっとあたってるかも。」